映像とは

映像とは

映像は、空間的に、必ず [ 枠 ] に囲まれている。
TVモニターの画面、劇場のスクリーン、ホログラムが映し出される範囲にしても。

今これを読んでいるデバイスの画面にも、枠がある。
そちら側の枠の外がどうなっているのか、私には知るすべは無い。もしあなたがそこに存在するのなら、ここにいる私の存在を知っている。実に奇妙だ。

『我思う、故に我あり』
ではなくて、
『君あり、故に我あり』
なのでしょう。

題材(Subject)が存在する世界と、それを見る対象者(Object)が存在する世界はまるで違う。お互いに枠の外を見ることができないのはお互い様であるのだけど、その枠があるからこそ、お互いの世界が少しだけ繋がる。

生きているもの全てにそれぞれの世界があるように、映画などの映像媒体にも多くの世界が作られている。地球上でこれまで作られた映画の数ほどのパラレルワールドが、感じることしかできない形で存在していると言えないだろうか。
実は元々全てはつながっているのだけど、つながりを実感するきっかけや、言語や聴覚や視覚で具現化された姿が、人間には時に必要なのでしょう。